現在広く使用されている経口避妊薬、いわゆるピルは主にエストロゲンとプロゲスチンの配合剤です。
避妊効果は99.7%と高いのですが、静脈血栓塞栓症のリスクがゼロではないため喫煙者や肥満・高血圧・弁膜症等合併症をお持ちの方は使用できない状況でした。
そこで以上の合併症をお持ちの方でも安全に使用できる経口避妊薬として新たに開発されたのがプロゲスチン単剤(ドロスピレノン)のスリンダ錠28です。
排卵の抑制、子宮内膜の菲薄化、子宮頸管粘液の粘度が高くなることで精子の子宮内侵入を妨げることで避妊効果がでます。避妊効果 99.6%と他のピルとほぼ同等です。血栓症リスクがほぼ無いため安全に使用できます。また月経痛や月経前症候群(PMS)の改善効果もあります。
費用は1シート 2500円(消費税込みで2750円)です。
ご希望される方はぜひご来院の上相談ください。
スリンダ錠28を飲み始めるタイミング
【経口避妊薬を初めてお飲みになる方】・・・月経が始まった日から飲み始めます。
【他の経口避妊薬から切り替えられる方】・・・前に服用していた薬剤のうち、有効成分を含む錠剤をすべて服用した翌日から飲み始めます。
【子宮内避妊システムから切り替えられる方】・・・取り外したその日から飲み始めます。
「帯状疱疹ワクチン」の定期接種が4月から全国で始まりました。
帯状疱疹ワクチンを接種することで、帯状疱疹やその合併症を予防できます。患者は増加傾向にあり、発症すると神経痛などの後遺症の恐れがあります。
今回は帯状疱疹の症状や2種類あるワクチンの特徴などをお伝えします。
【帯状疱疹について】
●原因:
水痘(みずぼうそう)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」。加齢やストレスなどで、体内に潜んでいるウイルスに対する免疫が下がると帯状疱疹を発症します。
全体の66%を50歳以上の人が占めます。70歳代で最も多くなっています。
●症状:
体の左右どちらかの神経に沿って胸や腹部、目の回りなど顔にピリピリやズキズキといった痛みを伴う発疹や水疱(みずぶくれ)が出現します。
【帯状疱疹後神経痛(PHN)】
合併症の一つで、皮膚の症状が治った後にも帯状疱疹後3か月以上続く神経の痛みです。
数年残ることもあり、仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。神経ブロックも効果が乏しいといわれています。
発症を抑えられれば後遺症も防げます。
ワクチンを接種してリスクを軽減してください。
定期接種の対象・接種する方法・費用
◆対象:
①年度内に65歳を迎える方
②60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
◆方法・費用:
住民票のある市町村(特別区を含む)で実施します。
申し込み方法や医療機関、費用については自治体により異なります。各市町村へお問い合わせください。
【費用】
該当年齢でない方にも接種しております。その場合は、水痘ワクチン(生ワクチン)は8660円(消費税込み)。
シングリックス(組換えククチン)は、1回22000円(前費税込み)です。
【ワクチンの特徴】
帯状疱疹に対する効果 | 水痘ワクチン | シングリックス |
---|---|---|
接種方法 | 皮下に接種 | 筋肉内に接種 |
接種回数と間隔 | 1回 | 2回(2か月以上間隔をあける) |
【ワクチンの予防効果(接種後1年時点)】
- 生ワクチン
- 70%
- 組換えワクチン
- 97%
産後授乳に関して不安のある方、赤ちゃんの体重の増えがよくない等、
育児に不安を抱えている方に、助産師が授乳指導を行ないます。
費用:3,500円(消費税込み:3,850円)
※要予約:電話でご予約を承っております。
以下、2021年3月27日(土)追記
母乳育児相談に関しては補助券が使用できるようになりましたので、どうぞご利用ください。(補助額:2,200円)
今年度のコロナワクチンの接種予約をしております。
料金は15,300円です。秋田市居住の65歳以上の方は4,000円です(尚、自治体により補助額が異なる可能性があります)。
受付にて直接予約か、お電話で予約を承っております。
今年度のインフルエンザワクチンの接種予約をしております。
料金は3,000円です。65歳以上の方は310円です。
受付にて直接予約か、お電話で予約を承っております。
これまで、公費で受けることができる子宮頸がん(HPV)ワクチンとしては、サーバリックスとガーダシルがありましたが、新たにシルガード9が追加され、令和5年4月から公費で受けることができるようになりました。
平成9年度から平成18年度まで(誕生日が1997年4月2日から2007年4月1日まで)の女性で、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方も、公費でシルガード9を受けることができるようになりました。
子宮頸がんは、子宮の出口付近で発生するがんです。日本では年間約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人の女性が亡くなっています。特に若い年齢層で発症する割合が高く、日本では25~40歳の女性の死因として子宮頸がんが第2位です。しかし、子宮頸がんはワクチンで予防できる数少ないがんの一つです。対象年齢の方は、ぜひワクチン接種を受けましょう。
当院では、多汗症治療薬「ラピフォートワイプ2.5%」(保険適用)の処方が可能です。この薬は厚生労働省が保険承認したものであり、市販の制汗剤よりも効果が期待できます。市販の制汗剤を使用されている方は、一度お試しいただければと思います。
また、ゲル状製剤のエクロックゲル5%の処方もできます。
【ラピフォートワイプとは?】
ラピフォートワイプ2.5%は、塗り薬で、原発性腋窩多汗症の発汗を抑制します。この薬は1回使いきりのワイプ製剤であり、簡便かつ衛生的に使用することができます。
【多汗症とは?】
多汗症は、汗の量が非常に多いため、日常生活に支障が出ている状態を指します。原因によって「続発性」と「原発性」に分類されます。「続発性」は発汗の原因になる疾患などがある場合、「原発性」は直接的な原因が特にない場合に該当します。日本皮膚科学会では、原発性局所多汗症を「温熱や精神的負荷の有無に関わらず、日常生活に支障をきたすほどの大量の発汗を生じる状態」と定義しています。
多汗症は、発汗する部位によって「全身性多汗症」と「局所性多汗症」とに分けられます。局所性多汗症は、汗腺が密集しているワキの下、手の平、足の裏などで異常に多い発汗がみられます。温熱や疾患といった原因のほかにも、緊張が高まっているような精神状態に影響を受けて発汗量が増加するケースもあります。
【多汗症の原因】
発汗の原因が突き止められる「続発性多汗症(二次性多汗症)」の場合、全身性の病気(感染症・神経性疾患・糖尿病・低血糖・内分泌代謝異常など)や外傷、悪性リンパ腫などの局所的な神経障害が原因となることがあります。また、解熱剤や向精神薬、ステロイドなどの薬の副作用も考えられます。
一方、原発性多汗症は、発汗量が異常に多くなる原因が明確に特定されていない状態を指します。脳に何らかの異常があり、交感神経が優位になりやすいため、発汗が促進されていると考えられていますが、まだ明確な共通の見解は得られていません。
また、原発性多汗症の特徴として、社会的な活動範囲が広く、生産的な年代での発症率が高いことが挙げられています。対人ストレスなど精神的に苦痛を感じる機会が多い人ほど、発症しやすい傾向があります。さらに、家族や親族の中に多汗症の人がいるケースも多く報告されており、遺伝性の可能性も指摘されています。現在、遺伝が多汗症にどの程度影響するのか、どの遺伝子が原因となる可能性があるのかなど、研究が行われています。