「骨粗しょう症」は、わかりやすく言えば「単位体積あたりの骨の量が減り、骨折の危険性が状態になる病気」です。閉経後の女性に発症しやすいことがわかっています。
女性の体では、閉経を機に女性ホルモン「エストロゲン」が急速に減少し、エストロゲンが持っている「カルシウムが溶け出すのを抑える機能」が低下します。骨は軽石のようにスカスカになり、弱く、もろくなり、骨折を起こしやすい状態になるのです。
したがって、更年期障害の症状が比較的軽い人でも、成人病にさえ気をつけていればよいというわけではなく、骨粗しょう症にも十分に注意を払わなければなりません。
「背骨が曲がってくる」「身長が縮む」「背中や腰が痛くなる」「ちょっとしたことで骨折しやすくなる」などの症状となって現れます。骨折しやすい場所は、背骨、足の付け根の部分の大たい骨、手首などです。
骨が異常に減って、背中や腰が痛い場合は、飲み薬や注射剤などが使われます。
まず、なるべく早めに骨量の測定を受けて、骨粗しょう症の予防に取り組むことが大切です。また、骨粗しょう症にかかったからといっても、転んだりしなければ骨折はしませんから、日頃から転ばないように意識することも大切です。
特に、次の「3つの心がけ」を意識して日々の生活を送りたいものです。
- カルシウムやビタミンDの多い食品をとるようにする。
- 日光浴、適度な運動(一日30分程度)を心がける。
- ストレスや喫煙習慣などの危険因子をなくす。
運動と十分なカルシウムの摂取は、若い時期から始めれば骨の量を確実に増やし、年をとってからでも骨の減少度を少なく抑えることができます。若い時期に骨の量をできるだけ多く貯蓄しておくと、更年期になって同じ率で骨の量が減っても、残った骨の絶対量を確保でき、骨折を起こしやすい状態までは減らさずに済ますことになるからです。