不妊症の治療
近年、体外受精、顕微授精などの補助生殖医療(ART)の進歩で不妊治療がより専門化してきております。
しかしながら、多くのご夫婦がより自然な状況で、妊娠を希望されている事実もあります。
当院では、状況にもよりますが、タイミング法から開始し、漢方療法、排卵誘発剤内服あるいは注射、人工授精など、徐々にステップをあげていく治療を行っております。
初めに不妊に関する検査(ホルモン検査、性感染症検査、卵管通水検査、精液検査など)を行います。もし高度の卵管のつまりや精液の状態が不良の場合は不妊専門医療機関へご紹介いたします。
超音波で排卵を観察していくタイミング法で経過をみます。もし排卵がうまく起こらない場合は、排卵誘発剤を使用します。約6ヶ月経過をみます。
ステップ2の方法で妊娠が成立しない場合は、タイミング法に比べて妊娠確率が高くなるといわれる人工授精を5〜6回行います。
クロフェミン療法
「クロミフェン」という薬を一定期間服用することで、排卵を促す治療法です。
クロミフェン
月経周期や消退出血の3~5日目から、50~150mg/日を5日間服用します。服用が終わってからおおむね7日目前後に排卵が起こります。
ただ、その効果は個人差が大きいため、超音波断層法による卵胞発育モニターなどで妊娠率アップが図られています。
hMG-hCG療法
「hMG」「hCG」という2種類の薬を順次注射し、排卵を起こさせる治療法です。
hMG
卵胞を発育させる「FSH」と同じ働きをする薬
hCG
排卵を起こさせる「LH」と同じ働きをする薬
しかし同時に、副作用として双子・三つ子などの「多胎妊娠」や、卵巣が大きく腫れる「卵巣過剰刺激症候群」などが起きることも確認されています。
人工授精
排卵日に、精子を人工的に子宮内や卵管内に入れる方法です。
AIH
最近では、排卵誘発剤と組み合わせて実施するなど、いくつかの工夫が加えられることもあります。
※ただし、人工授精は保険の適用外のため、実費扱いとなります。体外受精―胚移植法
卵子を体内から一度取り出し、受精させて子宮内に戻す方法です。
hMGで卵胞を発育させ、hCGを投与し、膣の中から卵巣に針を刺してから卵子を採取。男性から採取した精子とシャーレの中で受精させ、受精卵が発育(分割)した後、子宮内に戻します。
※ただし、体外授精は保険の適用外のため、実費扱いとなります。
※医療機関によっては1週間程度の入院を必要とする場合もありますが、最近はほとんど外来で行われています。
※体外受精は当院では行っておりません。
ご希望の方には、信頼できる不妊専門医をご紹介いたします。